降三世明王(ごうざんぜみょうおう)、三つの毒を踏み降す青い明王と、五大明王の東方

僕の過去世。霊性開花コースの詳細を見る

青い体に、四つの顔と八本の腕。足元には、二人の人物を、踏みつけている。降三世明王(ごうざんぜみょうおう)は、一度見たら忘れられない、迫力のある姿の明王です。「降三世」という、少し難しい名前には、人の心の奥にある「三つの毒」を、打ち破るという、力強い意味が込められています。

この記事では、降三世明王がどんな仏さまなのか、名前の意味、足元で踏みつけている理由、五大明王の中での役割、ご利益や真言、会えるお寺までを、やさしい言葉で整理します。宗派によって考え方が分かれるところは、分かれることも含めてお伝えします。

降三世明王とは?名前の意味と、五大明王の東方

降三世明王のカード
降三世明王のカード

降三世明王は、明王(みょうおう)のひとりです。明王とは、如来(にょらい)や菩薩(ぼさつ)の教えに、従わない人を、力強く導くために、怒りの姿をとった仏さまです。密教(みっきょう)で、とくに重んじられます。

名前の「降三世(ごうざんぜ)」は、「三つの世界を、降伏(ごうぶく)させる」 という意味です。この「三つ」には、いくつかの説明があります。

  • 三界(さんがい):欲界(よくかい)・色界(しきかい)・無色界(むしきかい)という、迷いの三つの世界
  • 三毒(さんどく):貪(とん)(むさぼり)・瞋(じん)(怒り)・癡(ち)(愚かさ)という、人の心の三つの毒
  • 三世(さんぜ):過去・現在・未来

降三世明王は、五大明王(ごだいみょうおう) のひとりで、東方を守ります。五大明王は、中央の不動明王を中心に、東西南北を、四人の明王が守る、密教の代表的なグループです。

ざっくり言うと

  • 降三世明王は、五大明王のひとりで、東方を守る明王
  • 名前の意味は「三つの世界(または三つの毒)を、降伏させる」
  • 青い体に、四つの顔と八本の腕。足元に、二人を踏む
  • 心の中の「貪・瞋・癡」を、打ち破る力を表す
  • 京都の東寺の、五大明王像が有名

青い体と、足元の二人|降三世明王の姿と持ち物

降三世明王の姿には、次のような特徴があります。

特徴意味
青い体煩悩(ぼんのう)を抑える、深い力
四つの顔(四面)と八本の腕(八臂(はっぴ))あらゆる方向に、力を及ぼす
怒りの表情(忿怒相(ふんぬそう))悪や迷いを、退ける強い意志
炎の光背(こうはい)煩悩を、焼き尽くす
足元の、二人の人物傲慢さ(ごうまんさ)と、執着を、踏み鎮める姿
剣や、金剛杵(こんごうしょ)などの持ち物迷いを断つ力

なぜ、二人を踏みつけているのか

降三世明王の、足元にいる二人の人物は、インド神話の神「大自在天(だいじざいてん)」(シヴァ神)と、その妃「烏摩(うま)」(パールヴァティー)だとされます。

物語では、大自在天は、「自分こそが、世界の主だ」と、傲慢に振る舞い、仏の教えに、従おうとしませんでした。そこで、降三世明王が現れ、大自在天を、力で屈服させた、と伝えられています。ただし、降三世明王は、大自在天を、ただ倒したのではありません。屈服した大自在天は、仏教を守る神に、生まれ変わった、と語られます。

この物語は、「傲慢さや、執着は、力強く抑える必要がある。しかし、それを、否定し尽くすのではなく、正しい力に、変えていく」 という教えとして、受け止められています。

踏みつけているのは、「他人」ではなく、自分の心の中にある、傲慢さや、貪りや、怒り と、受け止める人もいます。

降三世明王のご利益|煩悩の克服・厄除け・魔除け

降三世明王のご利益として、よく語られるのは、次のようなことです。

  • 煩悩(貪・瞋・癡)の克服:三つの毒を、打ち破る力
  • 厄除け・魔除け:怒りの力で、悪をしりぞける
  • 傲慢さを戒める:自分の慢心に、気づく
  • 勝負運:迷いを断ち切り、まっすぐ進む
  • 人間関係の調和:怒りや、対立を、鎮める

願いが必ず叶う、という意味ではありません。降三世明王は、「自分の心の中の、三つの毒に、気づかせてくれる」存在と、受け止めてみてください。

たとえば、「怒り」や「欲」に、心が乱れそうになった時に、「今、三つの毒の、どれが動いているだろう」と、心の中で、そっと確認してみる。それだけでも、気持ちが、落ち着く、という声があります。

降三世明王と不動明王・軍荼利明王・大威徳明王との違い

五大明王は、それぞれ、方角と役割があります。整理してみます。

明王方角特徴
不動明王(ふどうみょうおう)中央剣と縄を持つ。動かない強さ
降三世明王東青い体。三毒を降伏させる
軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)南蛇を身にまとう。甘露で悪を鎮める
大威徳明王(だいいとくみょうおう)西水牛に乗る。敵を降伏させる
金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)北悪を食べる、怒りの明王

五大明王は、中央の不動明王を中心に、四方を守る形で、祀られています。

真言でつながる、降三世明王|梵字(ウン)も紹介

真言(しんごん) は、仏さまの名前や働きを、音で表した言葉です。降三世明王の真言は、一般に次のように伝えられています。

おん そんばにそんば うん ばざら うん はった

「ソンバニソンバ」は、「降伏させよ、降伏させよ」という意味を持つ、と説明されます。表記や読みの違いは、伝えられてきた流派の違いによるものです。

梵字(ぼんじ) は、古代インドで使われた文字です。仏さまを一文字で表したものを、「種子(しゅじ)」といいます。降三世明王の梵字は、「ウン」が使われることが多いとされます(流派によって異なります)。

真言の唱え方は、宗派によって異なります。教わった方法がある方は、それを大切にしてください。

降三世明王のお参りに向く日と、守り本尊

降三世明王の縁日(えんにち)は、広く知られた決まった日は、はっきりしていません。日程は毎年変わることがあります。お出かけ前に、お寺へ確認してください。

降三世明王は、十二支ごとの「守り本尊(まもりほんぞん)」(生まれた年の干支で決まる、自分を守る仏さま)の、八体には、含まれていません(酉年の守り本尊は、不動明王です)。

降三世明王の像に出会える、お寺ガイド

降三世明王に会える、代表的なお寺を挙げます。

場所お寺特徴
京都東寺(とうじ)講堂五大明王像(国宝)。降三世明王は、東方に立つ。空海ゆかりの寺
京都醍醐寺(だいごじ)五大明王像を祀る。重要文化財を含む

お参りのしかた:拍手は打たず、胸の前で手を合わせ、軽く一礼します。東寺の講堂では、五大明王が並ぶ様子を、間近に見ることができます。降三世明王を含む、五人の迫力ある姿を、ゆっくり見比べてみてください。境内では静かに過ごし、撮影や拝観のルールは、案内に従いましょう。

忙しい日でもできる、降三世明王との向き合い方

降三世明王は、「怒りや欲、慢心に、気づきたい時」に、静かに心を向けたい明王です。無理のない範囲で、次の中から一つ選んでみましょう。

行い意味おすすめの人
「貪・瞋・癡」の、どれが動いているか、心の中で確認する三毒に、気づく感情が、揺れやすい人
怒りを感じた時に、深呼吸を3回する怒りを、少し離れて見るつい、感情的になる人
「もっと、もっと」と思った時に、「今あるもの」を、3つ数える貪りを、しずめる満たされない感じがする人
成功した時に、感謝を口にする慢心を、戒めるうまくいっている時期の人
自分の間違いを、素直に認める傲慢さを、手放す意地を張りがちな人

降三世明王に関する、ちょっとした疑問

Q. 踏みつけられている人物は、悪人ですか?

物語では、大自在天という、傲慢な神と、その妃とされます。ただし、彼らは、その後、仏教を守る神になったとも語られ、「ただの悪人」ではありません。「傲慢さは、誰の心にもある」という、教えとして受け止める人もいます。

Q. 怒りの表情は、怖くありませんか?

怒りの表情は、「人々を、脅すため」ではなく、「迷いや煩悩を、力強く打ち破るため」の、慈悲の姿とされます。「怖い顔の中にある、やさしさ」を、感じ取ってみてください。

Q. 五大明王は、どこで、まとめて見られますか?

京都の東寺の講堂が、有名です。空海が構想した「立体曼荼羅(まんだら)」の一部として、五大明王が、並んでいます。公開の状況は、変わることがあるので、お出かけ前に、お寺の案内で確認してください。

オラクルカードで降三世明王が出た時のメッセージ

オラクルカードなどで「降三世明王」が出た時に、よく読まれるメッセージです。

  • 自分の心を、見つめて:怒りや欲に、気づく
  • 慢心に注意:謙虚さを、忘れない
  • 手放す時:執着を、ゆるめる
  • 強さと、やさしさを:力強く、そして、やさしく

よく読まれるメッセージを挙げましたが、受け取り方は、人それぞれです。

まとめ|心の三つの毒に、気づく

降三世明王は、貪り・怒り・愚かさという、心の三つの毒を、力強く打ち破ってくれる、青い明王です。踏みつけているのは、「敵」ではなく、「自分の心の中の、慢心」なのかもしれません。まずは今日、怒りを感じたら、深呼吸を三回して、心の中で、そっと確認してみましょう。

霊性開花。波動・チャクラ・サードアイを学ぶコースの詳細を見る