「獅子吼(ししく)」という言葉を、聞いたことはありますか。獅子(ライオン)が、百獣の王として、堂々と吠える様子から、「仏さまが、恐れることなく、力強く教えを説く」 ことを、たとえた言葉です。師子吼如来(ししくにょらい)は、その名のとおり、獅子の咆哮のように、迷いを打ち破る、教えを説く如来 として、名前が伝えられています。
この記事では、師子吼如来がどんな仏さまなのか、名前の意味、「獅子吼」の由来、姿の特徴、ご利益や、お参りのしかたまでを、やさしい言葉で整理します。師子吼如来は、とくに資料が、限られる仏さまです。はっきりしない点は、その旨を、正直にお伝えします。
師子吼如来とは?名前の意味と、「獅子吼」

師子吼如来は、如来(にょらい)のひとりです。如来とは、悟り(さとり)を開いた仏さまのことです。
名前は、「師子(獅子)」と「吼(く)」に、分けられます。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 師子(ししとも書く。獅子) | ライオン。百獣の王 |
| 吼(く) | 吠える。大きな声で、叫ぶ |
なお、「師子」と「獅子」は、どちらも、ライオンを指す言葉で、仏教では、「師子」の表記が、よく使われます。この記事では、名前としては「師子吼如来」、言葉としては「獅子吼」と、書き分けています。
「獅子吼」 は、仏教で、仏さまの説法(教えを説くこと) を、たとえた言葉です。獅子が吠えると、他の獣たちが、恐れ入って、静まるように、仏さまの教えは、迷いや、恐れを、静めて、人々の心に、力強く響く、という意味が込められています。
師子吼如来は、この「獅子吼」の名を持つ如来として、伝えられています。ただし、経典での位置づけや、伝承の詳細は、資料が限られており、はっきりしない部分が、あります。
ざっくり言うと
- 師子吼如来は、如来のひとり。名前の意味は「獅子の咆哮のように、教えを説く者」
- 「獅子吼」は、仏さまの説法を、たとえた言葉
- 恐れずに、力強く、真実を語る姿を表す
- 資料が限られ、姿・真言・縁日は、はっきりしない部分が多い
- 「勇気を出して、声を上げたい」時に、思い出したい仏さま
獅子の光背を思わせる姿|師子吼如来の姿
師子吼如来の姿は、資料や、作品によって、さまざまで、決まった一つの姿が、あるわけではありません。ここでは、一般的に語られる、特徴を挙げます。
| 特徴 | 意味 |
|---|---|
| 蓮華座(れんげざ)に座る | 清らかな、悟りの境地 |
| 手で印(いん)を結ぶ | 教えや、誓いを表す |
| 獅子(ライオン)の意匠 | 名前の由来。力強く、恐れない姿 |
| 落ち着いた、穏やかな表情 | 静かな、確信に満ちた説法 |
| 光背(こうはい)を背負う | 神聖な力を表す |
姿や、持ち物、手の形は、資料によって違い、必ずこう、と言い切れない部分があります。お寺で、見る場合は、そのお寺の説明を、確認してみてください。
「獅子吼」の由来|釈迦の誕生の物語にも
「獅子吼」という言葉は、仏教の、さまざまな場面で、使われます。
有名なのは、釈迦(しゃか)の誕生の物語 です。釈迦は、生まれてすぐ、七歩、歩いて、片手で天を、もう片手で地を指し、「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と、宣言した、と伝えられます。この、力強い宣言を、「獅子吼」と、呼ぶことがあります。
この言葉は、「自分だけが、偉い」という意味ではありません。一般的には、「一人ひとりが、かけがえのない存在である」 という意味で、受け止められています(解釈は、宗派や、研究者によって異なります)。
また、経典の中では、「恐れずに、真実を語る」 ことを、獅子吼に、たとえています。獅子は、他の動物を、恐れません。同じように、仏さまは、どんな反論や、迷いにも、動じず、真実を語る、という意味です。
このような背景から、師子吼如来は、「恐れずに、真実を、語る」 ことを、象徴する如来と、受け止められています。
師子吼如来のご利益|勇気・確信・迷いを断つ
師子吼如来のご利益として、語られるのは、次のようなことです。ただし、資料が限られるため、名前や、姿から、受け止められるイメージも、含まれます。
- 勇気:恐れずに、声を上げる
- 確信:迷いのない、心を持つ
- 迷いを断つ:獅子吼の力から
- 自分を信じる:かけがえのない存在だと、気づく
- 決意の後押し:一歩を、踏み出す
ご利益の言葉は、暮らしを見つめ直すきっかけとして、受け止めてください。師子吼如来は、「大きな声で、主張する」ことを、すすめる仏さまではありません。「自分の心に、正直でいる勇気」 を、静かに後押ししてくれる存在と、受け止めてみてください。
たとえば、言いたいことがあるのに、言えずにいる時に、「まず、自分の気持ちを、紙に書いてみよう」と、決めてみる。それだけでも、心が、整理されていく、という声があります。
師子吼如来と釈迦如来・文殊菩薩との違い
師子吼如来は、獅子に関わる、他の仏さまと、混同されやすい存在です。整理してみます。
| 仏さま | 特徴 | 師子吼如来との違い |
|---|---|---|
| 釈迦如来(しゃかにょらい) | 仏教を開いた人物。「獅子吼」の物語が、有名 | 釈迦は、実在の人物。師子吼は、名前が伝わる如来 |
| 文殊菩薩(もんじゅぼさつ) | 獅子に乗る、智慧の菩薩 | 文殊は「菩薩」で、獅子に乗る。師子吼は「如来」 |
| 獅子吼観音(ししくかんのん) | 三十三観音のひとつ。獅子に乗る観音 | 名前が似ているが、別の仏さま |
| 毘沙門天(びしゃもんてん) | 武将の姿の守護神 | 師子吼は、如来。姿も、役割も異なる |
師子吼如来の真言と梵字は?分かっていること・分からないこと
師子吼如来の真言は、経典や流派によって、表記が異なり、広く一般に知られた、一つの形は、はっきりしていません。ここでは、特定の真言を、あえてご紹介しません。 真言を唱えたい場合は、お寺で、確認するのが確実です。
梵字(ぼんじ)(古代インドの文字で、仏さまを一文字で表すもの)も、資料によって異なります。
その代わり、心の中で、「恐れずに、自分の心に、正直でいられますように」と、静かに手を合わせるだけでも、十分なお参りになります。ご自身の宗派や、お寺の教えがある場合は、それにしたがってください。
師子吼如来の縁日・守り本尊を確認しよう
師子吼如来の縁日(えんにち)は、広く知られた決まった日は、はっきりしていません。法要の日は、お寺によって違うため、事前に公式の案内を見ておくと安心です。
師子吼如来は、十二支ごとの「守り本尊(まもりほんぞん)」(生まれた年の干支で決まる、自分を守る仏さま)の、八体には、含まれていません。
師子吼如来との、出会い方
師子吼如来は、単独で、大きく祀られることは、ほとんどありません。出会える場面は、限られます。
| 場面 | 特徴 |
|---|---|
| 経典や、仏教書 | 名前が、記されている場合がある |
| 仏像の意匠(獅子の台座など) | 獅子に関わる、仏さまの姿と、関連づけられる |
具体的な寺院や、像については、資料によって、情報が異なるため、ここでは、名前を挙げません。「この寺に、必ずいる」と、確かな形で、お伝えできないのが、この仏さまの特徴です。 気になる場合は、お寺に、直接お問い合わせください。
お参りの心得:神社と違い、お寺では、拍手は打ちません。合掌して、静かに一礼するのが一般的です。ほかの参拝者の迷惑にならないよう、静かに過ごしましょう。
師子吼如来のご縁を結ぶ、はじめの一歩
師子吼如来は、「勇気を出して、一歩踏み出したい時」に、そっと心を向けたい仏さまです。日々の中で、次のことから試してみましょう。
| 行い | 意味 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| 言えずにいる気持ちを、紙に書く | 自分の心に、正直になる | 我慢しがちな人 |
| 鏡の前で、自分に「大丈夫」と声をかける | 自分を、信じる | 自信が、揺らいでいる人 |
| 背筋を伸ばして、ゆっくり声を出す | 堂々とした姿勢を、まねる | 人前で、緊張しやすい人 |
| 「自分は、かけがえのない存在」と、心の中で唱える | 天上天下唯我独尊の、心を借りる | 自己否定が、強い人 |
| 相手の意見も、静かに聞く | 力強さと、やさしさの両立 | 意見が、ぶつかりやすい人 |
師子吼如来のQ&Aで、理解を深める
Q. 「師子吼」は、どう読みますか?
「ししく」と読みます。「獅子吼」と書く場合も、同じ読み方です。
Q. 大きな声で、主張する仏さまですか?
いいえ。「獅子吼」は、声の大きさではなく、「恐れずに、真実を語る」という、姿勢を表します。むしろ、静かな確信を、持って語ることを、指すと、説明されます。
Q. 資料が少ないのは、なぜですか?
師子吼という名前は、経典の中で、比喩として、よく使われます。一方、「師子吼如来」という如来として、単独で信仰された例は、多くないためです。この記事では、確かな範囲で、ご紹介しています。
オラクルカードで師子吼如来が出た時のメッセージ
オラクルカードなどで「師子吼如来」が出た時に、よく読まれるメッセージです。
- 勇気を、出す時:自分の心に、正直に
- 恐れなくて、いい:静かな確信を、持つ
- あなたは、かけがえのない存在:自分を、信じる
- 言葉に、力がある:やさしく、はっきり伝える
カードの意味に、決まった正解はありません。
まとめ|静かな確信を、心に響かせる
師子吼如来は、獅子の咆哮のように、恐れず、力強く、真実を語る如来です。資料は限られますが、「自分の心に、正直でいる勇気」という、メッセージは、日常の小さな場面でも、支えになります。まずは今日、言えずにいる気持ちを、紙に一行、書いてみましょう。
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