増長天(ぞうちょうてん)、万物を育てる南の守護神と、「増長」という言葉の本来の意味
「調子に乗って、増長している」。こんなふうに、あまり良くない意味で、使われることが多い言葉です。でも、実は、この「増長」という言葉は、仏教では、とても前向きな意味を持っています。その元になったのが、四天王(してんのう)のひとり、増長天(ぞうちょうてん)です。
「調子に乗って、増長している」。こんなふうに、あまり良くない意味で、使われることが多い言葉です。でも、実は、この「増長」という言葉は、仏教では、とても前向きな意味を持っています。その元になったのが、四天王(してんのう)のひとり、増長天(ぞうちょうてん)です。
お寺の本堂に入ると、仏さまの四隅に、力強い姿の武将が立っています。それが、四天王(してんのう)です。その中で、東の方角を守るのが、持国天(じこくてん)です。名前のとおり、「国を、持ちこたえる」という、頼もしい役割を担う神さまです。
「あの人は、韋駄天のように速い」。足の速い人を表す言葉として、よく使われます。この「韋駄天(いだてん)」は、実は、仏教を守る神さまの名前です。マラソンを題材にした、テレビドラマのタイトルにもなり、多くの人に、知られるようになりました。
お寺の本堂で、仏さまの四隅に、力強い姿の武将が、立っている。それが、四天王(してんのう)です。その中で、筆と巻物を手にして、遠くをじっと見つめる、知的な姿の神さまがいます。広目天(こうもくてん)です。
「吉祥(きっしょう)」という言葉は、「めでたいこと、縁起のよいこと」を意味します。その名前をそのまま持つ神さまが、吉祥天(きちじょうてん)です。美しい貴婦人の姿で、福と幸運をもたらす女神として、古くから、多くの人に慕われてきました。
琵琶(びわ)を奏でる、美しい女神さま。七福神の中で、ただひとりの女性の神さまとして、知られる弁財天(べんざいてん)は、音楽や芸能の上達を願う人、お金や福を願う人の、両方から、深く信仰されてきました。江の島(えのしま)や宮島(みやじま)を、思い浮かべる方も、多いでしょう。
勝負の前に、手を合わせたい。大切な人や自分を、危険から守りたい。そんな時に、名前が挙がる仏さまがいます。摩利支天(まりしてん)です。三つの顔と六本の腕を持ち、猪(いのしし)に乗って駆ける、勇ましい姿は、一度見たら忘れられません。
「梵字(ぼんじ)」「梵鐘(ぼんしょう)」「梵語(ぼんご)」。お寺まわりの言葉には、「梵」という字がよく登場します。この「梵」は、もともと、梵天(ぼんてん)という神さまの名前から来ています。「清らかなもの」という意味を持つ字です。
「柴又の帝釈天」といえば、映画『男はつらいよ』の舞台としても有名です。でも、その名前の元である帝釈天(たいしゃくてん)が、どんな神さまなのか、意外と知られていません。
三つの顔に、六本の腕。少年のようなすっきりとした面立ちで、どこか憂いをたたえた表情。奈良の興福寺(こうふくじ)にある阿修羅像(あしゅらぞう)は、日本の仏像の中でも、とくに人気の高いひとつです。